Wednesday 10 February 2016

愛上哥們を観ている

台湾ドラマ『愛上哥們』(日本語にするなら「アニキに恋して」みたいなとこか?)にハマってしまった。昨年末から台湾の三立テレビで放送されていて、あと二話で完結するところ。字幕版やら吹き替え版やらの映像が日本に届くのを待たずして、インターネットを駆使して鑑賞できる時代に生まれてよかったです。こういう時に外国語をそこそこ理解できるとラッキーである。

簡単にあらすじをまとめると、訳あって幼いころから男として生きてこなければならなかった女の子が、ヤクザの若い親分でテーマパークを運営する事業家でもある青年を偶然助け、その活躍が買われて兄弟分の契りを交わすことになり、あれやこれやで親分となんかいい感じになっちゃいそうだけど26歳になるまで女だとバレてはいけないからがんばって隠しながらいい感じになる、というもの。まあ、台湾ドラマにはありがちな無茶感のあるストーリーなんですね。このドラマが始まる前のシーズンのドラマをネットで観ていて、ああ次はこんなんあるんだな、くらいにしか思ってなかったんだけれども、台湾の友人に最近のおすすめのドラマはないかと尋ねたら、このドラマが台湾で大人気になっていると言うもんだから、どんなもんだと気になって観てみたのです。で、いざ観はじめるとなんかやっぱ無茶な雰囲気漂ってるなー飽きるかなーと当初は感じたんだけど、なんだかんだで現地の最新の放送回分まできっちり追いついちゃった。とはいえ惰性で観続けてきたわけではなく、結構おもしろくて裏話映像をyoutubeで探してみてしまうほどなんだが、そこまでハマった理由を考えてみると二つ三つはある気がする。

一つには、設定が無茶なのでそのほかの多少の違和感は観ているうちに受け入れてしまう、ということがある。訳あって自分の性別を偽らねばならなくなった理由というのがそもそも大袈裟だし、物語の前提である“同性愛者ではないが男だと偽らねばならない女”っていう設定がすでにぶっとんでいる(ドラマではよくあるけど)。だから、それ以外の「ん?」「それはありえんやろ!」みたいなのは次第にどうでもよくなってくるところがある。観ているうちにストーリー上で感じる「ん?」はそれなりに受け入れてしまった。もちろん、コメディとしての演出だったり監督の撮り方だったりに工夫がされているからこそ、無茶のある設定でもサムくないドラマに仕上がっているのだと思います。

二つ目には、一番の理由はこれなんだが、男として生きている琵亞諾を演じる女優さんがなかなかいい演技をするので、それが見逃せないということ。調べてみたら、この賴雅妍という女優さんは2014年に『等一個人咖啡』という映画の中ですでに短髪の男性的な役柄を演じたことがあって、そこではレズビアンの女性という設定だった。実際、男性俳優と並んでも見劣りしないくらいの背の高さがあって、『愛上哥們』のなかではキスシーンでの見栄えをよくするために撮影時の立つ位置を工夫したりして相手役の男性との身長差をこっそり演出しているくらい。その上、小顔の整った顔立ちと来てはまさに草食系のイケメン男子さながら。つまり、容姿が役柄にしっくりはまっている。声はさすがに無理があるんじゃないかと思っていたのだが、慣れとは恐ろしいもので、回を追うごとに全然気にならなくなった。男女の恋愛物語をみてるのか、同性愛の恋愛物語なのか、はて?となることもしばしば。実に、この女優さんははまり役を見つけたな~と。もし自分が同じ職業の人間なら相当うらやましく思ったことだろうと。

そんでもって、異性愛なのか同性愛なのかというのをまるで煙に巻くかのような二人の関係をドラマの後半まで引っ張り続けているっていうのもおもしろいし、そういうのが台湾で大人気になってるってのもまたなんか台湾らしいな~というほんわかな感じで個人的には好きです。

今週末の日曜に最新話が台湾で放送されるので、ネットで観れるのは早くても来週の月曜かそのへん…遠い…

2 comments:

  1. こんにちは。この度「愛上哥們」の日本での配給が決定し、こちらのブログも参考にした結果、邦題を「アニキに恋して」と設定させていただくことになりました。つきましては使用に関しての許可とご希望でしたら邦題協力としてお名前を表記させていただきたいと考えております。ご連絡をいただけると幸いです。宜しくお願い致します。(drama@ritz.bz @マークは半角に変更してご使用下さい)

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    1. コメントをいただきありがとうございます。メールアドレスに返信致しましたので、ご確認をお願い致します。

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